「哲学の専門家」ではありません。
  天使のような純真さで疑問を投げかける犬畜生です。

否定や悪い評価は、じぶんにとってなんなのか

誰しも悪い評価を受けたくありません。
だから悪い評価を受けると「それは違う!」と抵抗しようとします。

でもそれは事実とは違います。悪い面はあるのです。

多くの場合、「それは誰にとって悪いのか」ということが不明確ですが、たいていは「評価した人にとって」悪いのです。他の人にとっても悪いのかも知れませんし、将来のじぶんにとっても悪いのかも知れません。全部はわかりませんが、確実に言えるのは、評価した人にとっては間違いなく悪く映っているということです。

あなたは「違う!」と否定したいかも知れませんが、それは「私にとっては悪く映っていない」ということであって、相手の視点ではないですからお互いに認め合うことはできません。

相手の評価基準を明らかにしてもらい、その評価基準を使って自己評価してみれば、もしかしたら相手の言い分に納得できるかも知れません。相手の評価基準そのものが納得できなければ、もちろんあなたが納得することはないでしょうけれど。

「否定された!」と怯えてしまい、とっさにじぶんを守ろうとするのは自然な反応です。しかし守ろうとして強弁し、相手を攻撃しても、じぶんの中にわだかまりが残っていれば不安は解消されません。発端は他人の発言であっても、すっきりしない原因は他人の発言ではなくて、それから生じたじぶんの中のわだかまりです。じぶんの中で「明瞭に理解する」という形で決着を付けなければ、あなたはいつまでも安心できないのです。

『否定や悪い評価は、じぶんにとってなんなのか』
このままでは、じぶんにとって不安の元凶でしかありませんね。



さて、誰にでも良い面と悪い面があります。それが普通です。
人が平穏に生きるためには、

「良い面を好きになり」「悪い面は大目に見る」

ということが必要です。

悪い面を直すことはもちろん大切なことですけど、悪い面ばかり気にしていると自信を持てなくなっていきます。自信を持てなければ悪い面を直そうという気持ちが減っていき、どうせ無駄だと捨て鉢な考え方になってしまうでしょう。

そうではなく、まず先にじぶんの良い面を好きになり、「じぶん」の味方になることが何より大切です。「じぶん」のことが好きになり、大切に思ってくれる味方だと思えるようになれたら、「悪い面を直していこう!」というじぶんからの忠告や励ましを正面から受け取れるようになります。

じぶんという信頼できる味方がいることで、他人からの悪い評価に怯えることなく、
「ありがたい意見を聞けた。じぶんをもっと好きになるためにはどうしたらいいのかな?」
と、課題を解決するためのステップへ自然と進めるでしょう。
じぶんだけの課題ですから、今すぐ取り組めなければ一旦保留したっていいのです。

「自信がある」というのはこういう状態です。他人に左右されない平穏でニュートラルな精神状態を保つためには自信が必要です。

否定や悪い評価は、自信があればじぶんにとって有益なものにすることもできます。逆に、自信がなければ有害なものとしか思えないでしょう。他人から向けられた否定や悪い評価をニュートラルに受け取れているか、じぶんをよく観察すると、自信があるのか自信がないのか自覚できるでしょう。