「哲学の専門家」ではありません。
  天使のような純真さで疑問を投げかける犬畜生です。

嫉妬心にもいいところがあるか?

嫉妬ってなんでしょう?

まず【一般的な意味】を明らかにしておく必要があると思います。

1 自分よりすぐれている人をうらやみねたむこと。「他人の出世を―する」
2 自分の愛する者の愛情が、他の人に向けられるのを恨み憎むこと。やきもち。悋気 (りんき) 。
しっと【嫉妬】の意味 - goo国語辞書

上記の引用を読むと、恨んだり、妬んだり、憎んだり...。これって、「私には無い」、あるいは「私から奪われる」という想像が根底にあるんじゃないですかね。やっぱりいきなり感情から始まるんじゃなくて、まず、「私には無いんだという認識」があって、それによって生まれている。

では、どうして「私には無い」と認識してしまうのか。それは、「私にはある」と思っていない、あるいは思えないからですね。たとえば上手い絵が描けないという現実を見てしまった時に、「私にはある」と思えなくなる。

では、なんで思えないのか。

それは見ているポイントが違うからでしょう。これはお金で考えるとわかりやすいと思います。誰かがたくさんお金を持っている。自分にはない。その誰かはよく勉強し、よく働き、まじめに貯蓄を続けるという努力を積み重ねてお金を手に入れたとしても、「あいつにはあって」「自分にはない」ということに注目していると、自分の努力で手に入れるのが待てなくなります。時間をかけて努力すれば手に入るかも知れないのに、すぐに欲しくなってしまう。努力せずに。

別のサイトも見つけましたので引用します。

  • 妬み…人を羨ましく思い、相手に悪意を抱くこと
  • 嫉み…人を羨ましがり、自分に劣等感を抱くこと

(中略)

妬みの嫉みの使い分けは以下のように覚えてください。

  • 妬みを使うとき…「相手が羨ましく、さらに憎い時」
  • 嫉みを使うとき…「相手が羨ましいけど、自分が憎い時」

嫉みと妬みの違いを分かりやすく紹介!!

要するに「羨ましい」という思いが高じると、

  • 他者に対して悪意や敵意を抱く
  • 自分に対して劣等感を抱く

ということでしょう。
この羨みから発生した悪意や劣等感が「嫉妬」と呼ばれるのだと、私は解釈しました。

嫉妬というのは欲望ではなくて、「欲望と、他者との比較から発生する羨ましさ」から発生する感情であり、

  • 自分に無いものを認識した時、時間がかかっても正当に努力して手に入れようと思う
  • 自分に無いものを認識した時、安易な手段(もらう、奪う)で手に入れようと思う

という視点や生き方の違いによって、生まれる感情だと思います。

また、男女間の嫉妬という点で見ても同じだと思います。相手の思いが自分以外に向くことによって、「私には無い」という状態になり、自分の魅力を高めることに注意が向かず、安易にもらおうとか奪い取ろうとか、それができないと矛先を他者に向けて恨み・憎む。同じですね。

嫉妬心はエネルギーになることもありますが、嫉妬しなくてもエネルギーは生まれます。それは向上心です。嫉妬が発するエネルギーをよくよく見れば、その正体は「歪んだ向上心」が発しているものです。だとすれば、歪んでない向上心を持てばいいのですから、嫉妬する必要はまったくないですね。

ということで、私の結論は、
「嫉妬心にいいところは一つもない」
です。